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インドネシア・ポップス
インドネシア・ポップス(I-POPS)の素晴らしさをもっと日本の皆様に知ってもらいたい!!バリ島やインドネシアと聞くとすぐに「ガムラン」「ジェゴグ」などの伝統芸能を思い出しがちですが、こちらの音楽文化はそれだけではありません。「アピ・マガジン」はこちらの若者の間で流行っている「インドネシア・ポップス」にフォーカスし、毎月アーティスト紹介や新譜紹介をしていきます。ぜひバリ島やインドネシアに来たときには、インドネシアのアーティスト達の音楽CDを購入し聴いてみてください。また新しい発見がありますよ。(言葉の勉強になるかも!?)
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蓮次郎子

蓮次郎子

突っ込みどころ満載の
インドネシア芸能ゴシップと
オンチェ命ミーハーメタボ主婦。

キャンディー・甲山

キャンディー・甲山

インドネシア無宿、東京では引きこもりの中年男。近頃年のせいか早起きになりました。

インドネシア・ポップス > Vol.65
Vol.22 NIDJI(ニジ)

カーリーヘアがトレードマークのボーカリスト、ギリンのファルセット・ボイスとUKロックやニューウェイブ系のサウンドで、2007年のインドネシア音楽界を席巻したバンドのひとつNidjiは、ニドジではなくニジと読む。ジャカルタ出身のギリン(Vo)、ラーマ(G)、アリエル(G)、アドリー(Drum)、アンドロ(Bass)によって2002年に結成され、バンド名の由来は日本語の「虹」(ホント)。影響を受けたバンドにLユArc-en-ciel、Coldplay、Goo Goo Dolls、U2などを挙げている。2006年 Peterpanと同じムジカ・スタジオからアルバム「breakthru」でデビュー、息の長い大ヒット曲「Hapus Aku」のほか「Bila Aku Jatuh Cinta」「Child」「Disco Lazy Time」などシングルヒットを連発し、またたく間にスターダムに躍り出た。国外にも市場を広げ、2007年3月には全曲を英語で再収録した「breakthru(int)」をリリースしている。注目のセカンドアルバムは2008年リリース予定。

ディスコグラフィー
Nidji,ニジ

2006年「breakthru」

2007年「breakthru(int)」



アルバム評
Nidji, breakthru

Nidji最新アルバム
breakthru
(2006年)


1. Sudah:もう
2. Hapus Aku:僕は消え去る
3. Bila Aku Jatuh Cinta:もし恋に堕ちたら
4. Heaven(英語)
5. Manusia Sempurna:完璧な人間
6. Child(英語)
7. Disco Lazy Time(英語)
8. Engkau:You
9. Breakthrough(英語)
10.Kau Dan Aku:君と僕

Nidji,ニジ

<聞いた人その1:キャンディー・甲山:インドネシア無宿、東京では引きこもりの中年男。近ごろ年のせいか早起きになりました。>
昨年からやたら耳にするようになったNidjiという名前。それも若者からだけじゃなく、けっこういい年のオジサンやオバサンからも。そのすそ野の広さからは、お風呂のカビさながらに、ちょっとこすったくらいじゃ落ちないぞ、というしぶとい人気がうかがえます。日本では青春時代にユーミンかぶった世代あたりから「大人になるとやっぱり演歌」という法則が崩れてきたけど、とはいえその人たちの受け皿になる「普通の音楽」が不在ですよね。このアルバムを聴きながら、インドネシアにおけるNidjiの音楽は、そんな世代の受け皿的役割りも担っているのかも、と思いました。

<聞いた人その2:蓮次郎子:インドネシアの芸能ゴシップとオンチェ命のミーハーメタボ主婦>
嘆きポップスの名曲「Hapus Aku」の大ヒットですっかりインドネシアのお茶の間に定着したNidjiの「僕らがやってるのはインドネシア的嘆き節ではなくてロバート・スミス泣き声ボイスの世界なんだってば!」という声が聴こえてくるような80年代テイストがちりばめられたアルバム。同じアルバムのヒット曲ながら、「Hapus Aku」を着メロにしてた人と「Disco Lazy Time」を着メロにしてた人は全然違うタイプだと思います。あ!だからNidjiが売れてるのか。

曲評

■ 1.Sudah
:歌い手には大きく分けて「説得系」と「催眠系」があると思うんですけど、NidjiのGiringクンは明らかに後者。この夢遊声は強力ですねえ。どこかで聞いたような曲なのに、どこだったっけかなあ?忘れちゃったなあ。まあいいや、気持ちいいから。
 
■ 2.Hapus Aku

:昨年から大ヒットしているこの曲にはまった方もいらっしゃるのではないでしょうか?失恋した人させた人どっちにも訴求力のある巧みに情けない歌詞が秀逸です。「2人の愛を綴った詩なんかみんな捨ててしまえ/僕にとっては愛だった何かを君は殺してしまったんだ/神様どうか僕を悟らせて/彼女は僕のものじゃないってことを(超意訳)」。

 
■ 3.Bila Aku Jatuh Cinta
これも催眠声が印象的な曲。インドネシア語さっぱりわからないあたしですが、「ディンギンニャ ミンピ」のリフレインで思わず切なさが伝わってしまいました。女の子の母性本能のみならず、男の子の普遍的情けなさにも強力に作用するわけですね。ずるいおじさんとしては、ぜひ次回のカラオケで応用させていただきます。
 
■ 4.Heaven
★甲:この歌い方は、もろフレディー・マーキュリーの "I was born to love you"と重なるなあ。そういえばQueenには"Breakthru"(Breakthroughじゃなくて)という曲があったけど、アルバム・タイトルはやはりここからなんだろうか? 彼らのマジだかニヒルだか分からない微妙なさじ加減も、かなりQueenぽいですね。
 
■ 5.Manusia Sempurna
★甲:すっかりNidji = あっさりめQueenという思い込みが成り立ってしまった僕の耳には、これはもう、彼らの"Bohemian Rhapsody"にしか聞こえません。ただし「ガリレオガリレオ」の前で、あっさり寸止めされてしまってます。やはり、もうフレディーはいないのです。
 
■ 6. Child
★蓮:ギリンのファルセット・ボイスと澄んだピアノの旋律に心を洗われる美曲。もろUKサウンドの英語曲ですが、蒸し暑い雨季のバリ島で聴くと不思議なヒーリング効果があります。この曲もシングルヒットしているということは、インドネシアのリスナーも癒しを求めているということでしょうか。
 
■ 7. Disco Lazy Time
★甲:もろ80年代な曲。英語詞の無意味さ加減には、さながらデヴィッド・ボウイーの"China girl"あたりを連想しました。ボウイーて思いつくまま紙に言葉を書きなぐり、その紙をはさみで単語ごとに切り分け床にばらまく。で、それらをランダムに拾って歌詞を作るんだ、なんていうまことしやかなエピソードを聞いたことがあるけど、前出の"Heaven"やこの曲にもそんな裏話がありそうな気がする。
 

8.Engkau
★蓮:明るく爽やかなアップテンポのサウンドにのせて、巧いこと言って要は別れたそうにしている恋人への決別を歌っています。「傷つけるつもりはないのよ」「2人のきれいな想い出を忘れないで」などなど女の子が別れたい相手に並べる言い訳めいたキレイゴトがそのまま歌詞になっていて妙にリアルです。さては根に持ってる?

■ 9.Breakthrough
:起承転結があるというか、予定調和しているというかノ日本の実写ヒーローものやアニメのテーマソングを連想させるとても整然としたロックな曲です。エンディングとか特に。インドネシアの一部の若者の間ではいまいま日本のサブカルチャー風味の事象が流行っていて彼らのフィルターを通した日本はとてもキャッチーで面白いものになっていたりします。

10.Kau dan Aku
:何も知らずにこの曲のイントロ聞いたら、たぶんGoodnight Electricだと勘違いしちゃうだろうな。そういえばどちらのグループのサウンドも、ドライブじゃなくてサイクリングにピッタリ、という感じがする。エコとか地球な思想とは全く無関係に、クルマに似合う音楽ってこれからはダメなんじゃないだろうか?Nidjiを聞きながら、そんな予感がなおさら強くなるのでした。
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